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人気ランキング : 2686位
定価 : ¥ 4,935
販売元 : 東北新社
発売日 : 2008-03-28 |
広島に原爆が投下されてから13年後、原爆で父と妹を失った皆美は母とふたり暮らし。被爆者の彼女は恋愛も結婚もあきらめていたが、会社の同僚である打越から告白をされる。とまどう彼女を打越はやさしく包み込むが…。それから半世紀後、親戚へ養子に出されていた皆美の弟の旭は中年になっていた。彼は家族に黙って広島へと旅立つ。父親の謎の行動を心配した 娘の七波は、父のあとをこっそりつけていく。そして広島で彼女はいままで語られなかった自分の家族のことを知ることになる。
こうの史代の同名名作漫画を『半落ち』の佐々部清監督が映画化。原作漫画の世界を大切に慈しみながら描きつつも、『桜の国』の七波のエピソードに回想シーンを折り込むなど独自の演出法で、原爆がひとつの家庭に起こした悲劇を綴っていく。前半の皆美の悲しい運命には胸がつめつけられ涙が止まらないほどだが(麻生久美子好演)、その感動を受けて展開していく後半の七波の物語は、演じる田中麗奈のサッパリとした個性が際立つ。何も知らなかった彼女が父と母の出会いを知り、封印していた母親の死の真実を知る。七波の心の旅が、そのまま観客の『夕凪の街 桜の国』の旅となり、感動がじんわりと心にしみこんでいく。戦争、原爆、核というと堅いが、それを自然に考えさせられる、こんな悲劇を繰り返してはいけないと切実に思わせる傑作だ。 (斎藤香)
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このまま消えてしまっては困る作品です。 |
この映画はもしレンタルビデオのお店に行ったら、オススメコーナーにこっそり置いてください。
日本に生きる人間として忘れてはいけないことがこのDVDに収められています。
原爆の問題というよりも、あと20年以上もすると戦争を知っている方々は確実に居なくなります。なんだかんだで不満と不安はあるでしょうが、今の日本はやっぱり平和ですよ。その方々が戦後に一生懸命動いてくれて、平和を訴え日本を作ってきてくれました。
その方々が居なくなった時、戦争の悲惨さ、苦しさ、平和の素晴らしさを教えられるのは映画やドラマとかになっていくと思います。
この「夕凪の街 桜の国」も十分にそうなって欲しい映画のひとつです。
私はこの映画からメッセージを受け取りました。うまく言葉に出来ないですけど怖さもあります。考えますね、もっと知っておかなくてはならない事ってありますね。
感動も当然ありました。旭がプロポーズする時に泣けたのは、ただのラブストーリーなんかじゃないからです。
キャストたちは本当に難しい内容の映画だったから、でも僕は全然全員良かったと思います。
綺麗な作りで有名な佐々部監督ですけど、本当に綺麗です。「夕凪の街」と「桜の国」のつなぎ方も好きだし、髪止め?を上手く使った演出で「夕凪」と「桜」が1つになるのも素晴らしいです。
音楽はハープを使った美しいメロディーたちが、この物語をずっと良い感じに持っていくところも素晴らしいです。間違いなくサントラ盤も買う価値ありますよね。
見て欲しいな、まずは日本人に!!
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現代っ子にこそ観てほしい。 |
この作品を実写の、実際の風景で見られた、
ということがすごくよかったと思う。
演出の部分ではTVドラマのような画面に若干の不満が残りながらも、
全体としては原作に忠実だったし、よかったと思う。
特に、髪飾りを縦糸の鍵にした構成は見事。
もう一回原作が読みたくなったな。
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実写の良さも感じました |
原作を手に入れて約半年、ようやく映画を見ました。
非常に雰囲気のある漫画なのでどう描かれているのか気掛かりだったのですが、皆実の生きた昭和の広島の再現、緑が美しい現代の広島の両方を実写で見ることができて良かったです。
ストーリーも基本的に原作をなぞられていたので、映画の描く世界にすんなり入り込めました。原作にはない皆実と打越さん、弟の3人のシーンは、皆実の幸せなひとときを見せてくれてありがとう、という気持ちになりました。
麻生さんと伊崎くん、そして藤村さんの好演あっての映画です。現代のキャストには賛否両論あるのも頷けますが、七海役は田中麗奈さんしかいないと思います。
私たちの日常は、ほんの少し昔、ついこの前に辛い日々をおくった人々の人生の一続きにあるんだということを実感させてくれるお話です。原作もおすすめします。
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泣きはしないが良い作品だと思います。 |
「涙がとまらない」というシールが貼られていましたが、絶望ではない希望がある終わり方だったので泣きはしませんでした。
けれど作品としての出来は凄く良いと思います。
この作品は主演は誰になるんでしょうか?田中麗奈ですか?周囲の上手い役者に埋もれて少しかわいそうな感じがしましたが、田中麗奈も及第点で良いと思います。
麻生久美子はもちろんですが、私は藤村志保が良い味出していたと思います。
自分の娘であり被爆者である皆実(麻生久美子)と恐らく被爆者ではない打越(吉沢悠)の仲は賛成というか成就を願うする一方で、
疎開で被爆から逃れた旭(伊崎充則)と被爆者である京花との仲については当初反対の姿勢を見せるところは、親としての微妙な思いが見て取れました。
元々京花のことが嫌いではなかったとはいえ、旭と京花の結婚を許す過程が省かれていて、その辺をもう少し深く描いてくれるともっと良かったのではと少し思います。
あと、不満ではないのですが、夕凪の街と桜の国を行き来する過程で、旭:伊崎充則→堺正章、打越豊:吉沢悠→田山涼成のキャスティングは少々違和感が・・・
堺正章も田山涼成も嫌いではないし、演技も上手いが時代が違うとは言え、同じ人物を演じるのは少々無理だったかと思います。
どちらもキャラが激変しちゃっているんです・・・特に吉沢悠→田山涼成は。田山さんも昔はいい男だったみたいですし、夕凪の街で皆実が父同様に禿げるかねと言っているので、
禿げた頭は良いとしても少し軽い人間になってしまった感じで・・・
京花の小池里奈→粟田麗は違和感感じなかったんですが・・・
話はずれますが、麻生久美子は歌が上手い!音程も全く外さないし、アカペラであそこまで歌えるのは凄いと思いました。
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原爆 |
夕凪の街については文句なし。
原爆は、落ちたのではない。落とされたのだ。
そのことを皆実が教えてくれた。
生き残ったことに罪悪感を持つ皆実だけど、私も打越さん同様、生きててくれてありがとうと思った。
原爆の後遺症は今も続いてる。忘れてはいけない。許してはいけない。原爆を正当化させない。
そう思えた映画でした。
桜の国はキャストが軽い気がした。現代を表しているので、仕方ない面もあるが、麻生久美子と田中麗奈の演技力を比較してしまう。ただ、全体を通して派手さはないが、心に訴えかけてくる映画だと思う。
戦争は終わっていない。
正しい戦争はないのだと。