私は名古屋から駆けつけて本公演を聴きました。ベルティーニは現存する最高のマーラー指揮者で、速めのテンポながら入念なリハーサルを想像させる素晴らしい出来でした。但し、都響は弦を中心に健闘しているものの、リズムや音色はやや無機質で、全体的にはケルン放響との旧盤を推します。
このCDは宇宙的な空間作りを意識しているせいか、オフマイクで録音されています。大音量再生が憚られる住環境の方(私も含めて!)は、ヘッドホンで聴くことをお勧めします。
去る2004年5月20日、みなとみらいホールにて季節はずれの台風の中で行われた公演のLive録音。別離前の有終の美を飾る都響&ベルティーニのコンビ+トップレベルのアマ合唱団晋友会+充実のソリスト陣の演奏は国内に於ける「千人」演奏史上、稀に見る名演でありましょう(「音楽の友」で私のコンサートベスト10/2004で2位に投票くださった方、感謝!!)。国内屈指の演奏陣が巨大なスケールの第1部と荘厳/静謐な第2部をどう表現したかは、聞いてのお楽しみ、ということにしておきたいと存じます。筆者は客席でなく合唱席(オケの後部席)から参加&鑑賞(笑)しましたが、録音技術の賜物でありましょうか、合唱席並みの臨場感が楽しめること、保障します。
追記:2005年3月17日にベルティーニ氏は永眠されました。この演奏の際には既に病魔に侵されていた筈ですが、それを感じさせぬ、見事な「白鳥の歌」を有難うございました。合掌。